犬といっしょに暮らしてみた

犬と暮らしていると遭遇する困ったことを楽しく解決する方法!犬との暮らしを最大限楽しむ方法!そのほか、うちで暮らすお魚さんや多肉ちゃんのこと♥

レースに負けるということ。

今日は犬はお休みです(笑)

プロアスリートに求められること

 それは成績を出すこと。野球であれば勝つこと、100m走であれば誰よりも速く走ること。でもレースは勝つときばかりじゃない。当たり前だけど。でもその中にいるとそんな当たり前なことに気づかない。

宮古島トライアスロンのレースでトップから2番目を走っていた夫はランパートに入って14㎞地点で後続に抜かれ、そこから動けなくなってしまいました。

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トライアスロンってどんな競技?

トライアスロンという競技をよく知っているという人は日本でもそこまで多くないと思います。『あー、あれ。泳いで、自転車漕いで、最後に走るやつでしょ?』そう、あれです。その距離にはいろいろありますが、オリンピックで採用されている距離は『ショート』と言ったり、『スタンダードディスタンス』と言ったりします。夫が主戦場としているのはそれに対して『ロングディスタンス』と呼ばれるものです。

ロングディスタンス競技の距離

ロングディスタンスのトライアスロンと一口に言ってもその距離はレースによって微妙に違います。通常は

スイム3.8km

バイク180km

ラン42.195km

というものです。この距離はトライアスロンの起源として、米軍人が『この3種目のうち、どれが最も過酷か?ということを議論したが結果が出なかったので、まとめてやってみようということになって、始まった』というウソのような本当の話から決まりました。

今回の宮古島トライアスロンの距離は

スイム3.0km

バイク157km

ラン42.2km

とバイクとスイムの距離が少し短くなっています。これは、バイクの得意な選手にとっては条件的には不利に働き、ランの強い選手が勝つという傾向を持ちます。夫はバイクの強い選手です。

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日本におけるトライアスロンのプロ登録状況

現在、日本でロングのトライアスロン選手として食っていけてる人は数人です。その原因はいろいろあり、ここでは書ききれないくらいの問題を抱えています。これは、相撲協会とか、昨今のスポーツ団体の問題点と同じものをトライアスロンも抱えているので、もうブラックすぎて書けません。明日このブログがなくなっていたら、私は消されたと思ってください。(笑)

 

私のトライアスロンへの取り組み方

それとは別に私はというと、10年前に突然思い立ってトライアスロンを始めた、一般人です。運動歴なし、泳げない、自転車に乗ったことない、1km以上走れないという人でした。始めた理由も楽しそう!とかやりがい!なんて前向きなものではなく、

『いまこの苦しみから逃れるために何をしたら忘れられるだろう?』というちょー後ろ向きなものから始まりました。身体が苦しいとき、心の苦しみは一瞬でもなくなります。

最初にやったこと

スイミングスクールでけのびから始めました。生まれて初めて自転車を買いました。乗れないので、公園で友達に手伝ってもらって公園をぐるぐる回って練習しました。家の周りを夜中に走ってみました。(完全に変質者!(笑))

何をやっても苦しくない

何をやっても心の痛みに比べれば苦しくありません。ツラくありません。捻挫しても怪我をしても走り続けました。そして、死にそうにツライと思っても人間なかなか死なないものです。1km走れるようになったと思ったら、5kmになり、10kmになり、とうとう『一人箱根駅伝』と称して仲間を募り、東京大手町の読売新聞社前をスタートして箱根小涌園までの100kmを1日で走れるようになってしまいました。

効率を求めない

もともとが、『上達したい』『速くなりたい』というところから始まっていませんから、効率的に練習するなどといったマニュアルは完全無視でした。ネットで『速くなる練習方法』なんて調べたことはなく、毎日の練習を死にそうに感じるくらいやりました。今にして思えば無謀で恐ろしい練習方法でとても人にすすめられません。(笑)

結果どうなったか?

そうこうして続けていたら、いくつかの大会で年齢別部門での優勝を重ね、いつの間にか日本で1番になって初代ロングディスタンスエイジチャンピオン(一般人の年齢別部門)になりました。今でも日本トライアスロン連合のウェブサイトには私の名前があります。無欲のなせる業です。

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《海外レースでエイジ2位。海外は女子のバイクが強い!!》

 

プロアスリートを支えるということ

私はトライアスロンを始めて私とは対極の姿勢で競技に取り組む夫に出会いました。職業に選ぶくらいですからそりゃあ『好き』なんです、トライアスロンが。トライアスロンは3種目あるので人によってレーススタイルが違います。泳ぐのが速い人は、レースを先頭で戦えるので有利です。でもロングのレースでは、距離的に一番長時間になるのはバイクです。しかし、最後のどんでん返しでレースを決めるのはランです。

夫を支える力とは?

夫はバイクの強いトライアスリートです。バイクが強いということは、バイクで先頭に立つ、もしくはレースを引っ張ることが多く、単独で道を切り開いていきます。そのレーススタイルや人柄に魅了された個人がスポンサーとなってくれることによって活動することが出来ています。そのようなスポンサードチームを持つ日本で唯一のプロトライアスリートだと思います。私も彼の頑固なまでに曲がったことが嫌いなレーススタイルが好きな一人です。ずるをしない潔さが時にこんな失敗レースを生み出します。いい時ばかりじゃない。

私の支え方

昨日、タイガー・ウッズが14年ぶりにマスターズで優勝しました。その間どん底の日々を味わったことと思います。トップに長くいたからこそ、どん底は誰よりもつらかったはず。

スポーツ選手は結果を出してこそ。

厳しい世界に身をおいているから、失敗は誰より悔しい。

夫を支えるにあたって、私自身はいま競技として取り組むことをやめました。何故なら二兎を追う者は一兎をも得ずだからです。私はプロ選手ではありません。ただの趣味の一つです。生活もかかっていませんし私が優勝しようが誰も喜びません。自分くらい?(笑)でも、夫が優勝すれば、スポンサーやコーチはじめ、個人スポンサーの1人1人が自分のことのように喜んでくれるのです。

 

レースに負けるということはその人たちの思いを踏みにじることでもあるのです。悔しくないはずがありません。今日は悔しいであろう夫の気持ちを背負って10km走りました。心が痛くて走っていた以前を思い出し涙も出ました。

 

むぎは、夫の遠征中で私が仕事を休めない今、ペットホテルに行っています。

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昨晩珍しく、夜中に『ワンワン!!』と吠えたそうです。家ではほとんど鳴きません。

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『僕もここで頑張ってるから、おとーさんもくじけないで!』なのか

『ふざけんな、負けて帰ってくるなよ』なのか

『さびしいよぉ~』なのか

『トイレ、漏れちゃう~』なのかはむぎのみぞ知ることですが、

明日、羽田空港で一番会いたい人に会えることに違いはありません。そう、むぎは

おとーさんっこなので!!(笑)むぎも夫を支えるスポンサーの1人なのです。